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第9回『パストラールシニア大学』

先日、第9回『パストラールシニア大学』が開催されました。
テーマは、「おまえの親になったるで!」
講師は、カンサイ塗装工業(株)、日之出塗装工業(株)等、代表取締役を務める草刈健太郎氏

多忙を極める社長業の傍ら、犯罪被害者家族という立場で、受刑者の出所後の就労支 援を行う「日本財団職親プロジェクト」の創設メンバーとして活動されています。
その体験談は、非常にセンセーショナルな内容です。
講演の導入部分では、元、巨人軍の清原選手と家族ぐるみの関係であった事や、ご自身のヤンチャ時代の話題、ご家族との微笑ましいエピソード、家業である会社の試練などが詳らかに話されたあと、中盤から内容が一変します。

最愛の妹さんが、米国で殺害された壮絶な経験が兄である草刈氏から語られます。
ここからそれまでの笑顔が消え、時には嗚咽で言葉に詰まりながら当時のご自身の思い、ご家族の思いが時系列で語られていきます。その壮絶さは想像を超え、平穏だった家族が崩壊していく様子に胸が苦しくなっていくのです。
米国での非情な裁判の現実、犯人への憎しみ・・・。
そして後半は、「犯人なんか死んでしまえばいい!」と思っていた自分が、今、受刑者の出所後の受け皿になっていった経緯や、きれいごとではすまない様々な現実や、課題が語られていきます。

この草刈氏の活動は、多くのメディアでもドキュメンタリー番組として取り上げられ、映画化もされています。
「あそこの会社は、犯罪者を雇っている」という噂をライバル会社に流布され、事業が落ち込んだ事や、親身になって社会復帰させようとしても何度も裏切られたりした事など、その厳しい現実を知る事となります。

受刑者たちの再犯率の高さをどう改善していくか、草刈氏のような民間人だけの力ではとうてい解決できるものではありません。
滋賀県で起こった、保護司が担当していた男に殺害された事件は、社会を揺るがしました。
とても温かな保護司さんだったと、その人柄を知る草刈氏が語っています。

犯罪の根底には、多くの課題が隠されている事を誰もが知りつつも、無関心でいるのではないでしょうか?
草刈氏は言います。
保護司など無償で支援する民間の人たちの温かい思いだけでは、到底解決するような問題ではなく、経済的な面も含め公的で支援が必要だと。
犯罪者を生んでしまう世の中の仕組みづくりをもう一度、みんなで考えなければと思った1時間でした。